相続遺言判決実例集…(最判・昭和46年11月30日民集25巻8号1437頁)


  • (最判・昭和46年11月30日民集25巻8号1437頁)
 

(最判・昭和46年11月30日民集25巻8号1437頁)


 (最判・昭和46年11月30日民集25巻8号1437頁)

「原審の確定した事実によれば,訴外Aは,かねて兄である被上告人Yから,その所有の本件土地建物の管理を委託されたため,本件建物の南半分に居住し,本件土地および本件建物の北半分の賃料を受領していたところ,同訴外人Aは昭和24年6月15日死亡し,上告人X、,X2,X3らが相続人となり,その後も,同訴外人Aの妻上告人X、において本件建物の南半分に居住するとともに,本件土地および本件建物の北半分の賃料を受領してこれを取得しており,被上告人Yもこの事実を了知していたというのである。しかも,上告人X2および同X3が,右訴外人A死亡当時それぞれ6歳および4歳の幼女にすぎず,上告人Xlはその母であり親権者であって,上告人X2および同X3も上告人Xlとともに本件建物の南半分に居住していたことは当事者間に争いがない。以上の事実関係のもとにおいては、上告人X、、X2、X3らは,右訴外人Aの死亡により,本件土地建物に対する同人の占有を相続により承継したばかりでなく,新たに本件土地建物を事実上支配することによりこれに対する占有を開始したものというべく,したがって,かりに上告人らに所有の意思があるとみられる場合においては,上告人らは,右訴外人Aの死亡後民法185条にいう『新権原二因り』本件土地建物の自主占有をするに至ったものと解するのを相当とする。」

 


 

 


 

 
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